性感染症について セペ通信
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海外では50年以上も前から女性の社会進出と共にタンポンが使われ始めましたが、日本で一般化したのはずっと後のことでした。それというのも、日本の子女教育の中では女性の性器自体が汚いものという概念が強く残っていて、「生理の間は黙ってどこかに隠れていろ、動くな、人前に出るな」と言われ、生理期間中も女性が動きやすいようにという発想はなかったからです。

そう考えると、今私達が使っているタンポンやビデといった生理用品は革命的と言えます。不浄なものだから隠す・排除するといった方向ではなく、汚れるからこそ清潔にしようという積極的な発想なのですから。
こうした清潔意識は、性感染症を予防するという意味でも重要なことです。やはり、局所を不潔にしていると、性感染症の原因となる細菌の温床となります。

解剖学的な構造上、女性の性器というのは非常に無防備な状態にありますから、性感染症が進行すると骨盤腹膜炎などの重症になることも起こり得るのです。

局所が不潔な状態にあると、ペニスそのものを入れることで大腸菌・ブドウ球菌・B群溶連菌というような一般的な細菌が膣内に波及して膣炎(非特異性膣炎※3)を起こす場合があります。女性の局所が不潔であれば、外陰部など膣の周辺部から順を追って感染の可能性はどんどん広がっていくのです。

(1) まず、女性性器の表面の皮膚は、大腸菌やブドウ球菌の温床になりやすい場所です。
(2) この膣内部へ向かう部分で起きるのが、一般的に膣炎と言われるものです。
(3) 次に膣の頸部に進むと頚管炎になりますが、ここはクラミジアの発生が多い所です。
(4) さらに子宮内膜では子宮内膜炎。子宮内膜症ではなく、炎症の方です。
(5)卵管へ進むと卵管炎。
(6)さらには卵巣炎症。一般的には(5)と(6)を合わせて付属器炎というふうに表現します。
(7) 奥まで進んで菌がばら撒かれてしまうと、骨盤腹膜炎に進行してしまいます。

こうした経路で菌が波及していけば、症状も悪化してゆきます。例えばクラミジア※1が頚管付近に到達するとそこで腹痛が起こり、はじめて自覚症状として表れてくるのです。
入り口付近で留まっていれば痛みもなく悪いオリモノもないけれど、付属器炎まで行ってしまうと症状(痛み)として出てくるわけです。ただ、それでも慢性化してしまうと、癒着しているだけで自覚症状がないという場合もあります。

性感染症は、知らない間に静かに深く進行するという可能性があるわけです。
 
女性が外陰部を清潔に保つことは、細菌が繁殖するような環境を作らないという意味で重要なことです。そういう観点からも、生理の時やセックスの前後には、高い清潔意識を持つことが必要だと思います。

※ 1 クラミジア
細胞に奇生するクラミジア・トラコマチスという微生物が原因になって起こる。放置すると子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こし、不妊症・子宮外妊娠・流産などの原因となる。

※ 2 カンジダ
カビの一種であるカンジダ・アルカンビスに感染することで起こる。外陰部に激しいかゆみがあり、症状が進むと外陰炎になり、赤く腫れ上がる。

※ 3 非特異性膣炎
特定の病原菌ではなく、一般的な細菌によって起こる。炎症が進むと出血や下腹部の痛み、排尿時の違和感などがある。

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